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ここ数年でオンプレミスからクラウドに移行する企業が増えました。ある程度稼働が安定してくると気になってくるのがクラウドの費用。ボタンの1クリックで使用が開始でき、従量課金で使った分だけ請求されるというのはメリットでもありますが、その分利用料の拡大も簡単で使用しているリソースがブラックボックス化してしまっているという声も少なくありません。
パフォーマンスを落とさずにクラウドのコストを削減していく施策がないか、相談をいただくことも多くあります。今回は IaaS に Google Cloud Platform(GCP)を使用している場合に検討できるコスト削減の施策について、コンピューティングリソースに特化して記載していきます。
- コストがかかっているプロジェクトを確認する
- まずは全体のコストを把握し、どのプロジェクト、サービスに費用がかかっているのかを確認しましょう。
- GCP では 請求とコストの管理ツール を無料で提供しており、この画面から日々の推移や任意の期間でのコストが把握できます。
- コストの高いプロジェクトから、優先的に取り組むコスト削減施策を決めていきましょう。
- コンピューティングリソースの無駄を確認し削減の対策をする
- 稼働している VM の状態を確認する
アイドル状態の VM があるかを確認し、使われていない時間は停止することによりコスト削減に繋がります。土日は使われていない、または夜間は使われていないなど使用されていない曜日や時間帯が一定であれば起動と停止を自動化することができます。GCP にはリソースの最適化を支援する Recommender という機能が搭載されており、この画面からアイドル状態のVMを確認することができます。
- 適正なサイズの VM を利用する
システムに問題が起こらないようCPU やメモリに余裕を持たせて VM を選定することが多いと思います。しかし、あまりに使用しない容量が多いとそれは無駄になってしまいます。
サイズ適正化の推奨 を活用し適正なサイズの VMに変更することでコスト削減が実現できます。
- プリエンプティブル VM や Spot VM を活用する
GCP には VM の CPU や RAM といった性能をそのままに安価で利用できるプリエンプティブル VM、Spot VM という仕組みがあります。
Spot VM は 2021 年 10 月に発表されたばかりの新しい仕組みで、現在はプレビュー状態、本格的に利用できるようになるのは 2022年からのようです。
それぞれ割引率や稼働に関して条件が異なります
- またプリエンプティブ VM や Spot VM を利用するにおいて、何点か注意しておくポイントがあります。
- プリエンプティブル VM や Spot VM はいつでもシャットダウンされる可能性がある
- 市場に余っている VM を使用するため必ずしも VM が確保できるわけではない
- 料金(割引率)は VM のタイプによって決まっているのではなくその時々に応じて変更となる
- サービスレベル契約の対象外
- いつでもシャットダウンされる可能性があるということを念頭に起き、開発環境やテスト時に使用するなどうまく活用すれば大幅なコスト削減に繋がります。
- 確約利用割引を活用する
プリエンプティブル VM や Spot VM は必ず稼働が続くものではないため活用できない、ということであれば確約利用割引を活用することにより割引を受けられます。
Google Compute Engine のリージョン、ファミリーなどを指定し1年もしくは3年の使用をコミットすることにより1年では25%、3年では50%の割引が受けられます。
利用をしない場合でも料金が請求されるため、ある程度の利用の継続が見込めるものに活用すると削減が見込めます。
確約利用割引の推奨も Recommender に表示され、どういった内容をコミットするといくら削減できるのかが把握できます。
いかがだったでしょうか。今日から実施できるGCPのクラウドコスト削減として以下の要点を確認してみましょう。
- コストがかかっているプロジェクトを確認する
- 稼働している VM の状態を確認する
- 適正なサイズの VM を利用する
- プリエンプティブル VM や Spot VM を活用する
- 確約利用割引を活用する
今回は多くの企業で利用料の大半を占めるコンピューティングリソースの削減について記載しました。各クラウドベンダーが提供する仕組みをうまく活用することにより、コストの最適化が実現できます。
アルファスではパブリッククラウドコストの管理・分析・最適化の支援ツールを提供しています。クラウド管理に課題を感じている方、パフォーマンスを落とさずにクラウドコストを削減したい方はお気軽にお問い合わせください。